つねに何をすべきかを映画を作る人間に問う
キューブリックはどうやってシーンを撮るかを決めないで現場に立つ
俳優たちにはリアルさを求めた
キューブリックの作品だからと俳優が興奮しすぎたりしてやりすぎ演技をしてしまったりすると俳優を解雇してしまうこともあったり
この映画の主役のような“サラバンド”
キューブリックが音楽の編集をする
シューベルト「ホ短調三重奏曲作品100」
この映画では1800年以降の曲は使えないことになっていて
キューブリックのお城のような家にある
山ほどのレコードから編集しながら選択をしていた
決闘シーンはキューブリックが俳優と直接話しながら撮っていて15冊ぐらいの決闘に関する書物を読みながら決闘の仕方を調べて一緒に作り上げていった
当時のイギリスの貴族に関して的確にとらえた
18世紀のロココ様式 繊細でやわらかくて
いかにもやわな感じ
貴族が腐っていってる描写が上手すぎる
ほわあ~とした異様な空気感…
貴族的な華麗さで覆われた
纏わりつくような虚脱感
高貴さ・荘重さの追及にひたすらだった
バロックからの変遷
バリーがイギリス軍に入隊したり
プロシアで捕らえられていた生活との違いがバリーの表情に一つ一つに現れている
アイルランド人としてのバリー・リンドンの誇り
バリーは次々と奪われていく惨いです
祖国を追われた身の上に湧き上がる愛国心
それすらもズタズタに
伯爵号を手にしてからの冷酷さ
そこには凋落しつくしたバリーの姿しかない
いつでも栄枯盛衰は存在するけれど
その最期に首の皮一枚繋がっているものは…
心に残る原風景
ウィリアム・サッカレーが「虚栄の市」後の小説
キューブリックはこの原作を読んで感動
ライアン・オニールの悲愴感漂う表情
マリサ・ベレンソンの陶器のような美しさが素晴らしい!