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バリー・リンドンのぴよぴよのレビュー・感想・評価

バリー・リンドン(1975年製作の映画)
3.9
ヘンデルのサラバンドをバックミュージックに、まるでヨーロッパの美術館で泰西名絵を鑑賞しているかのような美しさ✨

キューブリック監督がこだわりにこだわって作ったと言われるだけあって、絵から抜け出たような18世紀の雰囲気が見事に再現されている。

貧しい出自のバリー。その才覚と知恵でのし上がり、美貌のリンドン夫人の心を掴んで富豪の地位に上り詰める。淡々としたナレーションで語られる逆玉の成功と凋落の物語。

途中休憩?を挟んで3時間の長尺。見飽きるかなぁと思ったけれど一気に見てしまった!とにかく美しい。蝋燭🕯の光の中で揺らめく衣装の数々…衣擦れの音がしてきそう。

ライアンオニールのちょっと哀しげな目をした風情も、マリサベレンソンの完璧な貴婦人姿も、全てキューブリックの計算なのか?彼の描いた絵画の枠の中に見事に収まっている🖼

白い顔につけボクロの貴族達、バリーとリンドン夫人が恋に落ちる夜の賭博場、緊迫の決闘場面。

"風と共に去りぬ"を思い起こす愛息への誕生日プレゼント🐎 そこからバリーは坂道を転げ落ちる。

"美しいもの醜いもの富めるもの貧しいもの…今はすべてあの世"と語るエンドタイトル。死んでしまえば美醜も貧富も関係ない。

見終わっていつまでもヘンデルのサラバンドが頭から離れなかった♫
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