コミヤ

バリー・リンドンのコミヤのレビュー・感想・評価

バリー・リンドン(1975年製作の映画)
3.9
何度も挫折したけどやっと全部観れた。第二部途中から集中力の限界が来たけど面白かった。

レドモンドバリーの紆余曲折の人生が、バリーと一定の距離感を保った上品なナレーションに乗せて進行する。時代や運に翻弄され、レドモンドの人生があちこちで展開していくので後半部までは飽きが来なかった。でも最終的にこの映画から何を感じ取ったかというと物語が面白くて映像が凄いということくらいだったので、また見返したい。

本作は、F値が0.7の驚異的に明るいカメラを用いて、照明は自然光のみという狂気じみた方法で撮影されている。絵画のような画作りとはよく言うけど、本作のそれは構図だけじゃなくて質感まで本物の絵を見ている感覚になった。特に物憂げなレディ・リンドンと子供たちがベットに横たわるショットとかに驚いた。また、まず人物をフォーカスで捉えてから次第に引いていくというショットが多い。引いていくと次第に絵画が完成するような感覚。これだけでも観る価値は十分にあると思う。
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