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美しい星のSQURのネタバレレビュー・内容・結末

美しい星(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

最後まで見ても、『結局あいつは本当に水星人だったのか』『あいつは何がしたかったのか』などは謎のままでした。
まあ、そんなことはどうだっていいんです。

この映画は大きく三つの部分に別れています。
まず、胡散臭いパート。次に夢が醒めてしまうパート、そしてそれでも信じようとするパートです。

最初のパートは、"僕にとっては"至高のデキでした。見ている間にあまりの面白さに脳みそが吹き出てしまうかと思いました。最高!って叫びだしそうでした。
ネズミ講やUFO、路上ライブの「イケメン」ボーカリストと胡散臭いものがずらっと並びます。
そして飛びっきりの胡散臭い展開、実は宇宙人でした、が明らかになる流れは本当に最高で、世間一般の常識人が信じているような事実がロックにパンクに破壊されていくかのよう!
テクノ調(って言うのかな?)の音楽と高速のカット割りで思考回路がクラッシュしそうでした。
不意打ちで流れる『金星』にもやられてしまいました。僕が一番好きな曲だったので。(……それにしてもあんな名曲が書けるとは彼女も無名のままでは終わらないでしょうね)

そして、僕が全く予想していなかった次パート、夢の終わり、です。最上級まで高まったテンションが一気に醒めていきます。
彼らが(そして僕も)真実であると信じてやまなかった"ロマン"が、実はただのロマンであるということが分かり、あれだけ常識を破壊できると思っていた確信が、逆に常識に飲まれていきます。
"真実"も希望もない現実が戻ってきてしまいます。

そして最終パートは、否定され尽くされたその"真実"を再び、自分たちだけでも信じ探し求めるパートになっています。


……みたいな解釈でどうでしょうか?
僕は異端讃歌の映画として受け取りました。
一つ目のパートの勢いで突き抜けていく方が個人的には高評価になったかな、という気もしますが、
最高でした!
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