享楽

美しい星の享楽のレビュー・感想・評価

美しい星(2017年製作の映画)
4.2
久しぶりにしっかり映画を鑑賞した。最近公開された作品だと「散歩する侵略者」に類似している。
原作が三島由紀夫ということでそこそこ話題になったようだ。
このような全体的に一貫したテーゼのない曖昧な作品はツッコミにくいのだが、知人の批評を参考にして書くと、やはり虚構(フィクション)というものに対する様々なる態度が面白く窺える、そんな作品だったように思える。
まず冒頭10分から察せられるように、今作の中心人物の家族がそこそこ歳を重ねている。よく言えば平常、悪く言えば倦怠期というべきか、そんな家族達がある一つのフィクションを中心に周縁へと配置され、中間項の人物たちを取り巻きながらいわゆる家族会議的な内省を各々が取っていっているのではないか。しかしそれは直接言葉に出されるのではなく家族間での対峙時やちょっとした間に行われているように思える。それぞれがそれぞれにとって異邦人のように思えてしまってもなお家族の絶えない繋がりというものの大切さを控えめに表現している点感動的であった。あと蛇足だが劇中の亀梨和也をずっと佐藤健だと思っていた。これは「pとjk」を観ていたときもそうだった。凄く顔といい体格と言い似ていないだろうか、共感を頂きたい。笑
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