みとも

美しい星のみとものレビュー・感想・評価

美しい星(2017年製作の映画)
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 例えば米軍パイロットを騙る日本人詐欺師だろうが、安いゾンビ映画やプロ野球からのドラフト指名だろうが、あるいは不倫相手の男子大学生だろうが、それが他人から気味悪がられたり批判されるようなことだったとしても、本人にとっては上っ面の「好き」ではなく、呪いのような夢なのだ。彼らにとっては何よりも、環境破壊が切実な問題で(これを宗教的啓示として描いたのが『魂のゆくえ』だったのだ)、プラネタリウムで迫りくる水星が恐怖で、また海の上に現れたUFOの光が”美しい”ものなのだ。確かにこの映画の”宇宙人”たちは滑稽で馬鹿々々しいかもしれない。だが吉田大八は、決して彼らを世間一般の常識から逸脱した変人として嘲笑せず、むしろ彼らの側にこそつくのだ。チャラいバカ大学生どものミスコンやマルチ商法に勤しむスノッブな婦人たちなど知るか。私たちを魅了する「光」へ向かって突っ走れ!
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