まりん

さよなら、ぼくのモンスターのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

監督の Stephen Dunnはゲイであることを公言しているそうです。
そしてコレは半自叙伝だとか。
ゲイの人はゲイの人が分かるのだそうですが、コナーは自分は自覚していないの。ダダ漏れに溢れだしているんだけど。
だけど、幼い頃からそのワードが耳に入り心に引っかかっている。
それはマイナスなイメージで。
父親は息子のその片鱗に怯えている。

思春期の少年たちが、ゲイを自覚する良作な映画は色々有るけれど、これもまた名作です。

幼い頃目撃してしまった事件のトラウマから、自分の中に有る恐怖。
自分自身が受け入れられない。だけど視線はいつも彼を追って居て、彼が女の子に見せる態度にショックを受ける。
もう、恋する乙女そのものですから。可愛いのよ。

ワイルダーは多分性の垣根を越えられる子なんだろうけど、あの思わせぶりな発言の数々は、罪ね。裏切らないし、優しいけど。

認められなくて、でも愛しくて、優しさも哀しくて、戸惑って。
父親の事とか、母親の事とか、進路の事とか、親友のハムスターの事とか。
思春期の悩みは多い。

ハムスターが良い味出しているのだけれど、若すぎて気が付かない、父親の苦しみを、親の優しさを、静かに語りながら、去って行くラスト、良いです。
今は、理解出来なくても良い。いつか分かるから。許せるかもしれないから。
振り上げた棒の行き先が、憎しみだけじゃない、父への思いを物語っていた。

ゲイは、まだまだ市民権を得ていないのね‥哀しい事だわ。
まりん

まりん