R

さよなら、ぼくのモンスターのRのレビュー・感想・評価

4.7
タイトルがひどいのでまったく興味なかったけど、とあるゲイボーイに勧められて見てみた! ぐわーーーハートめちゃめちゃエグられたーーー。苦しかった。自分の居場所はどこにもないんじゃないかって感じてる or 感じたことのある人は、心かき乱されるかも! 主人公のオスカーは幼少期にゲイが虐められてるのを目撃して、トラウマになってしまってるねんけど、自分もゲイで、メイクアップアーティストを目指してNYの学校を志望してる内気な男子。両親は離婚してて、パパに育てられ、優しいとこもあるけど普通にひと昔前の価値観で生きてる癇癪持ちのパパといまも一緒に暮らしてる。そんなオスカーが、バイトしてるホームセンターの新入りバイトの男子に恋に落ちる。けど、彼はふつうにノンケ君なんやろなーて感じで、まぁ何気ない日常が淡々と描れていくんやけど、最初から演出がかなり独特。まず飼ってるハムスターが彼に頻繁に喋りかけます。しかも声がイザベラロッセリーニ。無駄な豪華さ笑 このハムスターはずっと彼のソウルメイトなんです。で、映像は常に人物に親密に寄り添ってる感じで、曇天の光が淡くフレッシュで見ててとても心地よい、そして何より音楽がいいんですねー。心にしんしんと染み込んできて、気がついたらわしづかみにされ、ぐんぐん揺さぶられてる。最高。恋に落ちた相手が町を出ていく前日に開くパーティーのシーンはヤバい。パーティーでハイになっていろいろ入り混じった感情が高まって自暴自棄になってまうオスカー、見てて心がぎゅーっと締めつけられた。この感じはLGBTQに限らず、多くの日本田舎男子が感じる思春の痛みに通ずるものなんじゃないかなと思う。と同時にエロティックなシーンでもあって、すばらしいです。そしてそこから、ちょっと驚き、まさかのキュン展開があって、心の痛いクライマックスがあって、最後はじんわりあたたかく、切なすぎる成長の痛みで幕を閉じます。そう、人生はクソみたいなことが次々と起こりまくるけど、自分が強くなればそれでいいんだ。それは、ボクも思春期のころ、何度となく自分に言い聞かせたことです。あの時の気持ちが蘇ってあふれて思わず涙がボロボロこぼれてしまった。ほんとにすばらしい青春映画だった。この感じはなかなか得がたいと思う。主演のコナージェサップ君が、そこらへんにいそうなちょいもっさりしたキュートなイケメンで、声がビミョーやけどめちゃめちゃいい存在感やった! 恋する相手は、イケメン風だが個人的にはあんま好きじゃない笑。ホンマ、おるよね、たまに、こういう優しくて思わせぶりで、何考えてるのかよくわからん奴笑 いやーはからずも自分にとってすごく大切な一本になってしまいましたわ。また是非とも見たい。イタイけど。爆音でどうぞ、ハートめちゃくちゃになるよ。
R

R