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ザ・プレデターのTaiRaのレビュー・感想・評価

ザ・プレデター(2018年製作の映画)
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80年代と80年代リバイバルは別物ですが、これは紛う事なき「80年代」映画。懐かしさで胸がいっぱい。

80年代の申し子であるシェーン・ブラックの近作って、いわば当事者の作るリバイバルって感じだったけど、今回は盟友フレッド・デッカーを脚本に呼んだだけあってコテコテの80年代ジャンルムービーになってる。命の軽さとか過剰なゴア描写とか脚本の粗さとか、全てが懐かしい。『プレデター』一作目の脚本リライトに雇われたのに結局出来なくて、それなら映画に出演しろって言われてプレデターに殺されてたシェーン・ブラックが、30年経って続編を手掛けるってのも胸アツ。映画としてはやたらに展開が早くて楽しいし、如何にもシェーン・ブラックな小粋な会話劇もたくさんあって笑える。女性科学者がモーテルのベッドで寝てる側で精神病んだ軍人たちがそわそわしてる画が白雪姫と小人たちになってて、ここで一気に全キャラ愛おしくなる。主要キャラの死亡シーンが全部クライマックスに寄ってるのはこの手のジャンル映画としてはバランス悪いけど、その分キャラの描き込みは充実。ジェイコブ君演じる息子がハロウィンの仮装でプレデター仮面被ってチンピラの家破壊するくだりのしょうもなさとか最高。軍の施設や学校などでじっくり展開させた方が良かったとも思う。夜の森が暗過ぎるのはCGの粗を隠したかったのか。そう、この映画CGがチープ。大作でこの感じのCG観たの久々。もっと夜の住宅地とかで戦闘して欲しかったな。あと最後の決着の仕方が雑。歴代プレデターとの戦いっていつもロジックがしっかりしてた。主に体温をどう隠すかっていう点だけど、今回特にそういうのない。アルティメット・プレデターも創作したは良いが扱いきれてない感じがもったいない。ラストのオマケはバカだなぁと。こういう感じの映画もっと定期的に観たいなと改めて思った。
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