すずき

ザ・プレデターのすずきのレビュー・感想・評価

ザ・プレデター(2018年製作の映画)
3.7
シェーン・ブラック監督の前作「ナイスガイズ」と共通するのは、人命の軽さと、それをギャグにするブラックさ。
「ナイスガイズ」では、モブとかがロクでもない死に方しても、それが敵側だったから、痛快で笑えた。
今作では、モブとはいえ一応味方側の戦力だったり、クズのモブで偶然とはいえ子供が結果的に人殺ししてしまったり、「え、いいのそれ?」みたいな感じで、ギャグが空回りしてしまった。
勿論、「人殺しをギャグにするなんてお下品ザマス!」なんて言うつもりはない。
単純にネタがそこまでウケなかったのだ。

あとは序盤のキャラ達、特にヒロインの生物学者の行動の理由が薄い。
ある日軍に召集され、捕獲したプレデターを研究しろと言われたと思ったら、間髪入れずプレデターが脱走、そんな状況で命をかけてプレデターを追うヒロイン。
そこまで体張る理由が分からないが、まあ80年代映画によくある、感情移入しにくいキャラと展開のオマージュだと思おう。

あとプレデターって、人によってかなりイメージ違うと思うんですよ。
謎めいた存在だった彼らは、シリーズが進むにつれ、どんどん新設定が足されていく。
そーすると、ある時「こんなのプレデターじゃない!」って言う人が出てきてもおかしくない。
今作も、プレデター達の謎がまた1つ明かされ、人によっては受け入れられないかもしれない。
個人的には、シリーズ化するなら便利そうな設定でまあいいんじゃないでしょうか、といった感じだ。
ラストシーンのアレはB級映画感凄いけど。大丈夫か次回作?

でも何だかんだ言って、プレデターシリーズで2番目ぐらいには楽しめた。
バイオレンス激しいアクションシーンも良かったし。
あと主人公の愉快な仲間たちのキャラ立ち具合も良かった。
割と無駄な会話してたりするシーン多いけど、それが笑えるから、もっとタランティーノばりに無駄会話シーン多くてもいいのに。
ちなみに私のお気に入りは、寝ているヒロインのそばに置いたコーヒーカップの位置について言い合うシーン。あとユニコーン。