まず、パリの高校では哲学の授業があることに驚く。自分の時も倫理・社会ってのはあったけどレベルが違う。今の日本の高校はどうなのか分からないけど、イザベル・ユペールさんが教えてる内容はとてもレベル高そう。また、哲学の先生っていうのが似合ってるんたわな、これが。
まあ、それはともかく、50歳を過ぎた彼女が、仕事も夫婦生活も親孝行も子育ても上手く切り盛りしてきて、それなりに充実した人生を送ってきたと思っていた矢先に、突然いろいろと想定外のことが起こり、いろんなものを失っていく。
人生、折り返し点を過ぎると得るものより失うものが多いのは、まあ仕方のないこと。失ったものは戻ってはこないし、自分の思うようにはいかない。でも、それが人生。
それでも、いつも早足でツカツカ歩き、猫を相手に泣き顔は見せても人前では弱音は吐かず、凛として事態を受け入れ対応している。
「エル」のような刺激はなく、何方かと言えばドラマチックでもない日常描写の積み重ねで地味だけど、やはりこの方が演じるとそれだけで惹きつけられる。流石ですね。