ジュンチャン

メットガラ ドレスをまとった美術館のジュンチャンのレビュー・感想・評価

1.0
2022/05/07

「西洋からまなざした中国」をテーマにするのならまずは西洋が今までどのように中国/東洋の文化を盗用してきたのかから議論を始めるべきなのは明らか。そこへの自省のないまま龍、陶磁器、竹のオリエンタリズム盛り盛り展覧会を企画するのは今までと同じただの文化盗用でしかない。企画層に1人も中国人がいない、監修に申し訳程度にウォンカーウァイを登用して保険かけて、いざ中国側から懸念を示されたらファッションを馬鹿にしてるの?と圧をかけて一蹴。キュレーターはファッション大好き!ワクワク!の気持ちのみで中国文化や社会へのリスペクトを一切もたずに突っ走り、アナウィンターは私のファッションこそ至高の傲慢さでデリカシーを蹴散らし東洋文化を客体化。過去のデザイナーたちの中国コレクションも「ゲイシャ、カブキのインスピレーション」など本当にとんちんかん。いざ招待するセレブリティはほぼアメリカ人、目玉パフォーマーはリアーナ。せめて中国をルーツにもつアーティストを呼ぶことはできなかったのか。かなりの地獄だった。