Saki

メットガラ ドレスをまとった美術館のSakiのレビュー・感想・評価

3.9
言葉や感性を触発される刺激的な映画だった。

私はファッションもアートの一部になり得ると思う。
でもそれは流行により半年後には(いや、もっと早い時間軸により)すぐ"過去のもの"として価値のないもののように扱われる。
それに殆どは工場により大量生産され、百貨店に出回るから、作家による絵画や彫刻作品、インスタレーションのような唯一無二のものに劣ってしまうのであろう。

それでも衣服やメイクは、TPOによる使いわけだけでなく、肉体というシルエットを崩すことも、誇張させたりもできる「肉体表現」というアートであると私は思うのだ。

鏡の中の中国展。
とても素敵な展覧会だった。
また、レセプションパーティーが本当に今まで観た中で1番豪華だった!一流クリエイター陣と芸能人たち。

そんなパーティーとエキシビションの裏方が観れたのはとても刺激的だった。
スプーン1つにまでこだわりがあり、イメージの中国と、現実の中国とで嫌な気分にならないかどうかの擦り合わせを何度もするまでの心配りがあり…
とにかく勉強になりました。素晴らしいです!

お気に入りシーンは、リアーナがグオペイのイエロードレスを着ていて、黒い宝と言われているところ。鳥肌モノ!
泣きそうになってしまった。
アメリカンじゃなくたって、貧しい少女が大スターになる話は好きだよ。

p.s.アナが男だったらこんなに言われない。
それは本当に正しいことのようだった。
それでも、彼女は"自分"の信念を貫き、審美眼を使った。
彼女のYes,Noが全てを語った。
それってとてもかっこいい。
彼女は1人で王女になったのではなく、みんなが彼女の意思についていこうとしたからそうなったのだから。
それってすごい!

p.s.2.監督やキャスト関連ではないもので、映画を観ながら、見たい映画がどんどん増えるのは初めてでした。
花様年華とかね。
Saki

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