海老川

ある戦慄の海老川のレビュー・感想・評価

ある戦慄(1967年製作の映画)
4.0
67年にこの人間心理の掌握ぶり、感服しかできねえな。圧倒的衝撃の傑作。

他人はどこまでいっても他人というか。
たとえ同じ空間に居ようが同じ苦しみを受けて居ようが他人なんだよな。
少しでも関与すると、これ以上ハマると、自分に更に不利益がのし掛かると考えたらそりゃこの乗客みたいになるよな。
哀しいけど、兵隊さんに一瞥くれただけでもまだ人として堕ちきってないよ。もがいてた奴は確かに居るよ。

っていうのもいざ自分がこういうシチュに置かれたら当たり前だけど同じになるので、その言い訳と免罪符をレビューに書き換えてるだけですね。
私はいじめの傍観者を非難する風潮が許せなくて、傍観者も同時に被害者だと思ってるからこそ、本作の事なかれ主義を貫く人らにも同情しか出ないわけです。間違いじゃない。人間なんだもの。私なんだもの。
防衛本能。正しいと思おうぜ。そうでないとやってられねえよこの世界。

まあそもそもあのドチンピラが悪いわ(台無し)
海老川

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