まっどまっくすこーじ

ファウンドのまっどまっくすこーじのレビュー・感想・評価

ファウンド(2012年製作の映画)
4.1
≪この狂わしくも美しき兄弟愛を観よ!!≫


昨年、フォロワー様のあーぁさんのレビューで「絶対観る!!!」となって、今年の≪未体験ゾーンの映画たち2017≫の私的メインにしていた作品です。

さて本作「ファウンド」。

結論から言いますと私的には好きな作品ですが、ホラー映画ファンの方には中途半端に思えるのではないかと感じました。
また、ホラーファンではない方には「なんじゃこりゃ?」要素が多いため、敢えてお勧めはいたしません…

では何故、お前はこの評価なんだ? という疑問にお答えさせて頂きます(笑)


まず第一印象として、本作は文学的に感じました。
原作の小説があるのかな?
主人公の男の子の一人称視点で物語が進んでいきます。

「僕の兄はクローゼットに生首を隠している」…
なんて素敵なオープニングでしょう♪

11歳の少年を主人公にして、静かな狂気がジワジワと展開していく、私的には好ましい演出が良かったです。

男の子の名はマーティ。
無類のホラー映画好き。
そして学校では虐められっ子。
唯一のホラー好き友達も内心ではマーティを鬱陶しく思っている…

お兄ちゃんは学校へは行っていない。
よく分からないけど働いている。

そして時々、ボーリングバッグの中にボールの替わりに生首を入れている。

マーティはお兄ちゃんがいないとき、生首を取り出して観察するのが好きだ。

お兄ちゃんのスティーヴは両親を憎んでいるが、マーティには優しい。
ホラー映画のことをいっぱい教えてくれる。

このスティーヴの部屋の壁には至るところにホラー映画のポスターが貼ってあります。

そのなかでも入口に一番近い所(だと思う…)に貼ってあるのは…
我が国の誇る≪ジェット・ロックンロール≫バンド、ギターウルフが出演している唯一のゾンビ映画である「ワイルド・ゼロ」!!!

本作の監督であるスコット・シャーマーは相当のギークだな、こりゃ…

そして更に、数々のポスターの中でも一番デカく、異様なオーラ(笑)を発しているこのポスターは…!!!

昨年、阿佐ヶ谷ロフトAにて一夜限りのイベントだった≪チンコリンピック2016≫で上映された史上最狂のチ○コ映画である「The Taint」!!!

こ、これを崇拝しているのか…(;゜∀゜)
それともシャーマー監督は「The Taint」のマシュー・ボルダック監督とお友達なのか?

…何にせよ、実はこのポスターのことをあーぁさんのレビューで知って、確認したくて本作を観たようなものでして…(;^_^A

ともかく、これでテンションが絶頂に達した私ですが、本作はそんなのお構いなしにジワジワとしたペースで進んでまいります。

そんな中、本作の中でグロゴア表現が文学的なのを脱してカオスワールドにワープしてしまうシーンが…

マーティと友達の皮を被ったクソ野郎が一緒にビデオでホラー映画を観ようということになり、「HEAD LESS」という作品を観るのですが…

内容はヘッドハンターというスカルマスクを被ったサイコ野郎が女性を掻っ払ってきてはスプラッターにして、その生首をオナホールとして使用して絶頂に至るという、これぞみんなが観たいホラーでしょ~!!!Ψ( ̄∇ ̄)Ψ
というものなのですが、これがシャーマー監督の本来のクリエイティヴ・センスなのでしょうね、きっと…(*゜Q゜*)

いやぁ、この「HEAD LESS」最高~♪
生首の使い方を教えてくれる貴重なビデオを拝見させて頂きました♪
(え!? これを長編で作るって!? え!? もう作ったって!? マジかよ… 観なきゃいけなくなるじゃん…(*^^*))

そうそう、本作は時代設定がビデオテープで観る時代ということらしいです。
そういや携帯とか出てこなかったよなぁ…

なんかえらく渋いレンタルビデオショップに借りに行くシーンがあるんですけど、エンドロールの≪Thanks≫の中に店名があったので、どうやら実在の店らしいです…
おそらくシャーマー監督が通っていたお店なんだろうなぁ…

そして物語はクライマックスへ…
しかし敢えてグロゴアは抑えた演出…
それがラストシーンの美しさを引き立てる…

そう、これぞ文学的ホラー映画のラストシーン…

本作はただ怖さやグロゴアを追い求めるホラー映画ではなく、1人の少年の狂気の扉が開かれる時の芳しい薫りに似たゾクゾク感と、弟のためなら地獄の亡者の首でさえ取ってくるであろう兄のヒリヒリとした狂った兄弟愛を味わうべき作品なのであります…


以上が私の答えでございます♪


な~んて大袈裟に書いちゃいましたが、まあ本当に好みの映画でした。
これを製作費8千ドル(約100万円)で作っちゃうシャーマー監督並びにスタッフの方々には尊敬の念を抱きます。


そういや、ウチの弟もホラー映画ばかり観てたなぁ…
というか、今でもホラー映画ばかり観てるよね、TAKちゃん!!(笑)

あ、こらTAKちゃん!!!
そのクローゼットは開けちゃダメだよ~!!!
だって、中には…… ヒッヒッヒッ…щ(゜▽゜щ)


本作を観に行った日は≪未体験ゾーン≫3本プラス「ホームレス」の、ヒューマントラスト渋谷4本ハシゴでしたが、≪未体験ゾーン≫の3本は評価の星が皆同じになったという珍しい観体験でした。
(そんな評価するのは私だけかも…(^^ゞ)

↑↑↑↑↑上記は三回使い回します(笑)