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ファウンドのkasparのレビュー・感想・評価

ファウンド(2012年製作の映画)
4.5
イットフォローズを超えたって宣伝文句やけど、映画祭の規模はかなり小さいし、どうカウントすれば42冠になるのかも意味不明、というか超えたも何もこの映画の方が古いんやけどね。ま、どうでもいいけどね。
予算100万円の映画なんでそのつもりで観ましょう。
予算的にもテクニカルな映画ではないので映像のチープさや、ショットの甘さは許してあげましょう、そんなのはこの映画の魅力ではないので。
この映画の最大の魅力はゴア描写、ではなく、簡単な話、パッションです。
撮ることに対する熱さ、心の底から湧き上がる黒いカタマリ、タブーのこともバッシングも無視し、観客の脳天にイチモツをぶっ刺す、それがこの映画の魅力であり、この映画の存在理由なのです。
白人の黒人への嫌悪感、殺人への渇望、異常な性的嗜好、家族への嫌悪と歪んだ愛情、モラルに反することも包み隠すことなく、監督のリアルを描写する。
ホラー映画からの影響を隠さず、本作が与えるであろう影響も理解した上で、止め処もなく溢れる黒いカタマリを観客にぶつけてくる。
観客に、すべてをさらけ出せ、すべてを吐き出せと迫ってくる。
ラストシーンが美しいかどうか、完璧なのかどうかはおいといて、ある種の爽快感を纏っているのは間違いない。
すべての汚物を吐き出したときにあるような爽快感がね。
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