“最後まで待たない。ささいな話だ。”
スペインの俳優のもとカナダから訪ねてきた親友。彼らの四日間の話。
ガンによる死をみつめ、最高の人生の終わり方を考える人々の話。
最初5分間セリフなく淡々と移動するシーンだから暗い話なのかと思ったら、意外と温かい話だった。
1人も悪い人は登場しない。
ガンで死ぬ。自分の余命が分かっている時にすること。
息子のように可愛がる愛犬の里親さがし、留学した息子に会うこと、元嫁との連絡、親友との時間、自分の葬儀の予約、医者との別れ、仕事。
海外の医者って患者と距離が近くて、優しい感じがする。「共に闘病する」感が強い。
親友のキャラがいい。余計なことは何も言わない。ただ静かに受け入れ、「話してくれてありがとう」と言う。
見返りを求めない素晴らしさ。
死を目前にする俳優の強さ。
迷惑をかけずに死んでいく生き方と、周りの人々に愛を届けるかっこよさ。
死を考える映画だが、とても泣けて温まるいい映画だった。ジョークもまじえて交わされる温かい友情の視線がたまらない。特別な四日間。
安楽死という選択。
何がいい終わり方なのかは人によって違うだろう。
ただ、本人はじっくり考えて、周りはそれを優しく受け入れる努力をした方がいい。
真に大切なのは、弱みを見せられる友達がいるかどうかということだ。
愛犬の名前を取った「Truman」という原題。見ればわかる、圧倒的に味のある題なのになぁ…