死期が迫っている俳優フリアンとその友人トマスが過ごした濃密かつかけがえのない4日間を描いた本作。日本でも近年話題になっている「終活」を主題とした作品ですが、脚本自体が素晴らしいことに加えて、ストーリーによく合った落ち着いた音楽・綺麗な街並の映像も併せて楽しむことのできる名作でした😊
登場人物が少ないこともあり、フリアンとトマスの二人が共有する時間を丁寧に描写していた点が良かったと思います。本作では、所謂ここが物語のピークみたいなシーンはなかった印象ですが、二人の時間が淡々と綴られる感じが妙にリアルで説得力がありました。とは言え、作品を通してみると、フリアンと息子ニコのシーンにぐっときました。父子がお互いに思い合う様子を上手く描いていたように思います。最後10分については、いかにも外国映画・欧州映画という感じがしましたね😓
本作の原題は物語に登場するフリアンの飼い犬の名を取って《Truman》とのこと。邦題も決して間違ってはいないのですが、少し漠然とした印象になってしまっており、原題そのままの方がストーリーに合っているのではないかと💦 まず観てもらわないことには、っていう気持ちも分かるので難しいところではありますが…
「大切に想っているからこそ、家族や友人に迷惑をかけることなく死にたい」という考え方と「大切に想っているからこそ、迷惑だなんて考えずに少しでも長く生きてほしい」という考え方は、どちらも正しいが故に難しい問題ですね😣 実際にはそんな綺麗事ではないのかもしれませんが、こういった考えを真剣に議論してくれる家族や友人がいる時点で、フリアンは良い人生を送っていると言えるように思います。どちらの側かは関係なく、自分が終活の当事者になったら改めて見直してみたいと思います。
