彼の束縛から逃げ出した夜中3時。
知り合いの警察官のもとに身を寄せるセシリアだが、彼の存在を恐れ、一歩も外に出られずにいた。
そんな彼女にあるニュースが飛び込んでくる。
「エイドリアンは自殺したそうよ。これであなたも自由ね」
少しずつ外出の距離と時間を延ばし、セシリアは彼が残した遺産で友人を応援することに。
しかし、次第に不可解なことが起こり始め・・・
誰も座っていないはずの椅子は静かにこちらを見つめる。
ひとりでに開く玄関。持ち主のいない白い吐息。
誰かの足跡を浮かび上がらせるシーツ。
失くしたはずの薬瓶はふたたび彼女の前に姿を現す。
エイドリアンが生きていると確信したセシリアは家族や友人に助けを求めるが・・・
一緒に頑張ろうと手を差し伸べてくれた人たちがどんどん遠ざかっていく。
エイドリアンの存在を証明するためには自分が動かなければ何も始まらない。大切な人を守るには大きな覚悟が必要だった。
シャワールームに隠した万年筆、忍び込んで手に入れたスーツ。
一度走り出せば、恐怖よりも殺意が先行する。
エイドリアンに監視され監禁され、その振る舞いも考え方も支配されていたセシリアは、徐々に彼を欺き罠にはめる好敵手になっていく。
白いテーブルクロスは再び血に染まる。
あの夜と同じやり方で、同じ死に方を。
( ..)φ
予告編から気になっていた「透明人間」、新作レンタルで鑑賞してみました!
「ガス燈」とか「バニーレーク~」もそうだけど、周りも自分も自分のことが信じられなくなる恐怖、追い詰められて孤立していく恐怖ってやっぱり魅力的なんですよね。
ベーコンエッグを焦がした朝、友人の娘ちゃんが消火器で火を消してくれるんだけど、その消火器で今度はセシリアがその子を守る場面があって、なんていかした伏線だろうと思いました。
精神疾患を擬人化したようにも見える映画で、そういう意味でもすごく面白かった、あっというまの2時間でした。