Yuuki

透明人間のYuukiのレビュー・感想・評価

透明人間(2019年製作の映画)
4.8
主婦セシリアは、研究者の夫エイドリアンからガチガチに拘束された生活を強いられ、何もかも見透かされるつらい毎日を送っていた。ある日そんな彼に嫌気がさし決死の覚悟で厳重なセキュリティ下の豪邸から逃亡。友人の家に転がり込むが、その数週間後、エイドリアンが自殺したというニュースが入る。束縛生活も終わりか…と思ったが、何かに見られているような不安が募る…な話

映画を愛し、映画に愛されてるので試写会にて。3ヶ月ぶりの劇場試写!そんな喜ばしい日を記念するかのような、稀代の天才リー・ワネルとジェイソン・ブラムが手を組んだ現代なアップデートが施されたホラー。こちらなんですが「は?今さら透明人間?あほくさ笑」と誰しも思うかもしれませんが、この二人が手を組むとどんな題材でも面白くなる!!つまりおもろ爆弾投下!!!

この映画がすごいのは、最初から題材が「透明人間」という利点を最大級に活かしまくってるところですね。序盤、まだ透明人間が出てこないことが分かっていながらも、特に何でも無いシーンで意味ありげにシングルソファやカーテンの隙間、登場人物の後ろの壁を数秒だけ、意味もなく映すということを多用するんですよね。そうすることで見てる側が勝手に補完して「えっ?そこにいるのか!?」という不安がかき立てられる!めちゃくちゃリーズナブルな恐怖演出!前半はこのいるのか?いないのか?の挟間の恐怖を見せることで透明人間の登場までしっかり盛り上げてくれるなんて、ここがリー・ワネルの天才たる所以かもしれません…

さらに監禁生活を送っていた主人公セシリアの精神がすり減らされていることも相まって、透明人間の被害報告も「あ〜、ついに頭がおかしくなっちゃった…」と全く信じられずに片付けられてしまう過程も実に恐ろしい!演じたエリザベス・モスさんがどんどんズタボロになってくその表情も凄まじきものがありました。そんな感じで証拠を残さず罪をセシリアになすり付けていく狡猾さでじわじわと追い詰め、満を辞して暴れ回る中盤以降はもうスリルと興奮が止まらない!様々なメリハリのついた演出で最後までめちゃくちゃ楽しめるかと思います。まさに最先端のホラー!!敬具