03

透明人間の03のレビュー・感想・評価

透明人間(2019年製作の映画)
4.5
‪めちゃ出来の良い映画だった…。
透明人間としてのアプローチの仕方が考えうる限りで一番最悪。
基本は「control」の映画で、エイドリアンは自分の身体や人生のみならず、周囲の全てをcontrolしないと満足できないタイプだということが映画の中でかなり明示されてる(犬に電気首輪つけたり、セシリアへDVしたり、わざと屋根裏へ誘い込んだり)のだけれど、彼は自分の印象すら支配するので、ラストの食事のシーンでは観ているこちらにもそれを向けて来る。こういうタイプの加害を周囲に信じさせるのは困難なことで、それが透明人間による加害という形で二重に明示されていた。‬
‪彼女がエイドリアンから加害を受けていたことは、序盤に妹に向けて放った「指図しないで」という言葉(ここでもcontrolという単語が使われていた)でよくわかるわけで、あのシーンでは心配してくれてる妹に対してセシリアが大変過敏になってるのだけど、そういうプチパニックな時って自分が一番されたくないことを無意識のうちに拒否するものだし、ということは彼女は日常的に、ずっと、エイドリアンに支配されていたんだなあということが伺える良いシーンだと思った。‬
‪そんな狡猾でしぶといエイドリアンのcontrolから逃れるには結局あのラストしかなかったと思うし、ミッドサマーにも通じるような「悪い関係を断ち切る」ということの清々しさを感じてしまったのが絶妙だな〜。個人的にはめちゃくちゃスッキリした。
03

03