あーさん

シネマ歌舞伎 刺青奇偶のあーさんのレビュー・感想・評価

シネマ歌舞伎 刺青奇偶(2009年製作の映画)
-
今日は自分にとって特別な日♪という事で、繰り出したのは最近ハマっているお馴染み'シネマ歌舞伎'でございます。。

今回は、売られる所を逃げ出してきた酌女・お仲(板東玉三郎)と江戸を追われても博打がやめられない男・半太郎(中村勘三郎)の悲しい物語。

シリアスな身の上話なのに、冒頭の半太郎とお仲の掛け合いが面白くて、クスクス笑ってしまう。玉様のコミカルなお芝居は、前回観た"ふるあめりかに…"同様、本当にクセになる。
これまで観たお芝居は三枚目の役が多かった勘三郎さんだけれど、この男気溢れる役もとても似合っていて、また違う魅力を発見した気がする(にわかファン…)。
半太郎は、博打さえしなければ良い人やのになぁ。いや、どこか欠けた所があるもの同士だからこそ引き合わされ、夫婦になったのか。

二人の迫真の演技が素晴らしくて、本当に眩しいくらい。

そこへ賭場の親分・鮫の政五郎役 片岡仁左衛門の登場!これがなんとまぁ、渋オジの代表みたいな良い男❗️これは、あきません。。

政五郎の持ちかけた'賭け'がまた!

男というものは、
女というものは、、
なかなかこういう見方が(決めつけと見られ)難しくなった昨今、
それでもやはり、しみじみと何ともできない業や情が心に迫るものだなぁと、昭和な私などは思ってしまうのであった。

ホンマに、切ない。

(12月5日は、勘三郎さんの命日だった。返す返すも、57歳とはあまりにも早い死だったと作品を見る度に思う。。)


2008年4月 歌舞伎座




**ひとり言

玉三郎さんと勘三郎さんの演技に魅了され、ほぼ月一でシネマ歌舞伎に足を運ぶも、先月に限って何故私は吉右衛門さんの"熊谷陣屋"を観に行かなかったのか!
先日(11月28日)急な訃報に接して、忙しかった為迷って観に行かなかったことが悔やまれる。。
子育てのバタバタで長い間何かに夢中になることもできず、やっと時間ができていろんな世界を知るも、もっと早くに観ておけば、、と思わされることが多過ぎる😥

また、観る機会があるだろうか。

せめてこれからは、先延ばしにしないで観たいものは臆せず観ていこう!と思った。


中村吉右衛門さんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
あーさん

あーさん