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T2 トレインスポッティングのbluemomday0105のレビュー・感想・評価

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
4.1
1作目の、あの誰しもが見覚えあるお洒落みなポスターに添えられていたコピーは「未来を選べ」。
あれから20年、彼らは人生を選ぶには未来も若さも、もちろん人間的深みもキャリアもない、ただ無駄に歳を重ねて生きてしまった40代になってしまった。

大人になれば何とかなる。そんな気休めのような希望は見事に砕かれ、ただただ弛んで具合の悪くなった肉体を纏ったガキがいるだけ。
これは同世代にとっては、なかなか厳しい現実を見せられるようで…。前作で「未来を選んだ」はずのレントンも、結局あそこに戻ってくるんですから。
ラストシーンは「そのまま立派な大人になれると思ったか?」との笑い声が聞こえてきそうで…。ララランド並に殺された。

前作ではほぼあの時代の描写と、当時のかっこいい音楽が世界を作っていたのに比べ、今回の襲い来るノスタルジーよ。子供の頃の、あの頃の映像や写真、ジョージ・ベスト、Radio Gaga、ブロンディ。ノスタルジーと現実をぐるぐる回されてる辺りが、本当中年の映画だ…。
そのノスタルジーがいろいろ化学変化をもたらしたけれど。
昔の思い出で盛り上がるレントンとシックボーイに「昔の話ばっかりしてる」と呆れ気味に言い捨てる、東欧から出稼ぎにきた若い女性ベロニカ。BREXITに至った理由のひとつが、EU圏内の外国人労働者の増加という説もありましたが、なるほど前作では「外」からの存在は薄かった。現在を感じた。

テーマのひとつである「裏切り」。
誰しも裏切り、裏切られて生きている。
裏切るという行為に触れずに生きていたいけど、そういうわけにもいかず、後暗い出来事を抱えて生きている。
そもそもいまの自分は、若い頃の自分からしたら「なんでもっと頑張らへんのや!要領よくせんのや!」って裏切られた気分だろうな…。
レントンだって、あのとき選んだ未来に裏切られて帰ってきた。

クソみたいな今であっても、死ぬには早すぎる。そんなある種の中年モラトリアムを抱えて生きていく。ガタついた身体で走る。踊る。
刺さりました…理解などしとうなかった…!!

レントンがベロニカにとうとうと説く、choose your lifeのくだり。SNSを揶揄する言葉も出てくるのだけど(アムスで周りにいたのはそういう人たちなのかなーと思わせる熱弁)、4人は絶対にタグ付けされるような「最高の友達」ではない。むしろ最低な友達。
でも大人になると「最低な友達」を作るほうが難しいんですよね。自分の汚い所、情けない所をさらけ出せる友達は。
そう思うと彼らが羨ましいな。

あと今回はスパッドがかっこよかったね。
多分彼が一番ポジティブなメッセージを体現してた。
ベグビーはトイレのシーンが怖かった、でも爆笑したw