モミヂラミミヂ

T2 トレインスポッティングのモミヂラミミヂのレビュー・感想・評価

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
3.0
90年代の残像、と、取り残された人々に捧げる映画。

あの時の疾走感と過剰なまでのアイデンティティの肥大化も今の若い人から見たら「痛い」の一言でしかないと思う。
ベグビーの息子が大学行ってて、盗みに「興味もてない」が対照的過ぎる…。

でも、90年代に同じ空気を吸った者からすると時代に取り残されてる主人公達に胸が締め付けられるんだよね…。

EU化の波でスコットランドも国際化。
出稼ぎにきた東欧の人たち。
スコットランドも他のEUから人が出稼ぎに来るなりに景気はよくなってきてる。
しかしながら、若い時に不景気で正職につけないといつまでもその時代に留まり続けるというのは日本も同じ。

選べと畳み掛けるようにセリフが並ぶけど、実は登場人物のほとんどがあまり選択できずに流されてる。
選べと言われて選ぶものがなかなか無い、人生の不条理を噛みしめるけど、それでも選べと言い続けるキャラクター達にどこか自分を重ねつつ、切なくなる。