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T2 トレインスポッティングのSUIのネタバレレビュー・内容・結末

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

街を疾走するシーンでスタートした前作を揶揄するかのように、今作ではルームランナーでのオープ二ングから始まる。

それを手始めに、随所にオマージュのように前作のシーンを思い起こさせるシチュエーションが挟まれる。

あの頃に戻りたいけど、戻ってしまったらまたジャンキーにも逆戻り。
失ってしまったものは大きいけど、今の地に足のついた人生(それほど地に足はついてないけど、少なくともクスリはやってない)には変えられない。
劇中で始まりそうで始まらない寸止めのlust for lifeとbone slippyは、かつてのレントン達を象徴していて、その頃に戻ることにためらっている心情を表現しているのかと思っていた。
しかしラストで流れるのがbone slippyではなくlust for lifeであることから、こここそが始まりなのだと。ここでやっと前作のトレインスポッティングが産まれたのだと気がつかされる。
まさにスパッドが書いた小説こそがそれなのだ。

前作では弾けまくっていた彼らも歳を取った。それでもやってることに大した違いはない。はずなのに、妙に惨めに見える。
いつまでも子供のままではいられないのだ。

本当は10年前に続編を…という声が上がったらしい。それでも監督のダニーボイルは彼らが40代になるのを待ったという。

前作のような爽快感はなかったけど、妙にしっくりきた。
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