マルメラ

3月のライオン 前編のマルメラのレビュー・感想・評価

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)
3.5

【原作の抜粋からオリジナルへ】

ほぼ全てのエピソードが原作の切り貼りによって作られていた。
これに対して賛否両論あるだろうが、自分は否定的。

3月のライオンの原作ファンとしての意見にはなるが、3月のライオンの良さは「桐山だけでなく、様々な登場人物の背景までキャラクターを描いていること」だと思う。

そういう意味で、桐山と有村架純・伊藤英明。この3人の背景は読み取れたが、この作品の核ともなる川本家のエピソードが弱い気がした。

後編で、ひなちゃんのイジメのエピソードが出てくるみたいなので、後編次第という部分ではあるが、原作を知らない人は川本家が出てくる意味があまり分からなかっただろう。

しかし、新人戦というオリジナルな部分を出してきたのは良かった。
真ん中でぶった切る二部作ではなく、1つの映画として前編を作りあげようという意思の表れを感じ取れた。

【桐山はどんな成長をしたのか】

二階堂の言葉が脳裏によぎり、手を止める桐山。

「勝ちにこだわれ、自分を大事にしろ!」という言葉が、そのまま桐山の成長した部分。

そのまま言葉で成長を語らせるのは、如何なものかとは思う。
例えば、「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」の最後で、マーティーが「腰抜けって言われたからってケンカに乗っても仕方ねぇよ」って台詞で言ったらダサい。
それと同じです。

また、自分を大事にしろ!という成長をさせるなら、自分を大事にしていない桐山を描かなければならない。

しかし、桐山が自分を大事にしていないエピソードは無かった気がする。
原作のエピソードを切り貼りしているので見逃した可能性はあるので、この点に関しては見返してみないと断定できない。

【後編をどうやって、まとめ上げるのか】

後編で盛り込まれるエピソード予想
・宗谷という神に挑む
・海猿との因縁の戦い
・ひなちゃんがイジメられる
・川本家の父親が現れる

これらが出てきたとして、どうやってまとめ上げるのか。
それぞれのエピソードが重みがあり、それだけでかなりの尺を取られるはず。

後編は過度な期待をせずに、鑑賞します。
マルメラ

マルメラ