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3月のライオン 前編のERIのレビュー・感想・評価

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)
3.8
めちゃいい。キャストのそれぞれの存在感と物語の展開が秀逸だった。大友監督は重厚に描くのがうまいんだなぁ。将棋という厳しい世界を生きる桐山零とその周りの人たちの生きる世界を丁寧に描いていて、漫画とはまた違う映画良さがぎゅうぎゅうしていて見応えがあって素晴らしい。

「将棋が好き」というしかなかった少年の葛藤と孤独。よその家で生きていくということ。

原作も読んでて劇場公開されると知った時のどハマりのキャスト。キャストがそれぞれそのまま飛び出してきたみたいな配役。ここまでイメージ通りもなかなかない。誰一人として外した配役のない好例。

神木くん素晴らしい。どっからどう見ても桐山零。親がなくなって父の友人の家に引き取られた零には将棋をやって心を埋めるしかなかった。育ててもらうために将棋で応えるしかなかった。そう思っていた。空っぽを埋めるために。生きていくために。

そして一生くん、こういう役をやらせると絶妙なのだよ。むしろイケメン役よりこういう役のが推しです!笑 続いて中村倫也くん変なメガネかけてる。濃いよ。キャストが抜群でみんな濃い(褒めてます)。次に倉科カナちゃん。どんだけイメージ通りなん。川本家の次女に清原果那ちゃん。これまたぴったり。すごいな。

と思ったら二階堂役に染谷くん。特殊メイクをしながらもこの2ショット感慨深い。そしてその特殊メイクを気にもさせないイメージを超えたお芝居。相変わらず凄い。そして有村架純ちゃんもこういう意地悪な役、とてもよい。

零は川本家と出逢って、すこしだけ毎日に風が吹いたみたい。お味噌汁がおいしい。卵焼きも。特別な当たり前に零は少しだけ笑う。

島田役の佐々木蔵之介さんもそのまま。いやはや表情から座り方、肩の落とし方まで何から何まですごい。そして目を見張る将棋の勝負。男と男の一局が、めちゃくちゃかっこよかった。続く、島田と後藤のガチンコ対決。最後に出てきた宗谷役の加瀬亮さん。頂点にい続ける人。

前半のクライマックスの切り方も、きちんと本作は終えながら、桐山零の次につながる余韻も残していていい終わり方だなぁ。
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