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3月のライオン 後編の教授のネタバレレビュー・内容・結末

3月のライオン 後編(2017年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

主題歌まで含めて。サビで、桐山くんが人生に感じているだろう輝かしさ、暖かさが溢れて、感動した。聞こえるか、遠い空に映る君にも。はスクリーンの向こうから、こちらへ呼びかけられているようでたまらなかった。
ずっと暗かった人生で、将棋を一生懸命指すうちにそれが好きなものとなる。ほかにも大切なものを見つけてそれを守ろうと頑張って、明るい居場所ができるまでの物語。ラスト、獅子王戦に向けて山道を登っていき、穏やかな表情を湛えるシーンが象徴していた。
神木隆之介さんは本当にすごい俳優さんだと思い知らされた。
この原作自体が素晴らしいことは違いないだろうが、神木くんなくしてはこの感動は生まれないだろう。桐山くんが泣き始めてから、最後まで私も涙が止まらなかった。最後の、宗谷名人との対局を前に輝かしい表情を浮かべたショットで終幕。そして春の歌。最高だ。
また、「勝てなかったのは自分を信じられなかったからだ。終わりだと思い込んで、夢をあきらめたのはお前自身だ」と明らかにされるシーンは刺さった。桐山くんや、将棋そのもののせいにして逃げ続ける香子を立ち止まらせてくれた。

姉と同じように、自分で終わりだと思い込んで負けそうになるも
自分を信じたから
1人じゃないと気づいたから
自分とたいせつなものをたいせつにしようと思ったから
勝ち筋を見つけることができた

林田の、「結果は大事かもしれないが、その過程だって大切なこと」という言葉は月並みかもしれない。でもきっと、桐山くんが彼女たちの家に謝りに行く勇気の一助になっただろう。
「間違ったことはしてないから、後悔しない」というひなちゃんのセリフは鼓膜にびりびりきた。それによって、昔の桐山くんが救われるという描写も良い。たしかに不思議と、人生にはそういうことがある。
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