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3月のライオン 後編のjohnのレビュー・感想・評価

3月のライオン 後編(2017年製作の映画)
3.3
後編は川本家三姉妹の家族の下りが若干出すぎていた感があり、
脱線があった気がする。桐山のブレークスルーが見れるのは良かったが少し間延びしていた気がする。
しかし相変わらず将棋の周りに集まるキャラは素敵だった。
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なぜ中学生でプロ棋士になったのか?
なぜ一人暮らしなのか?
なぜ学校に友達がいないのか?

開始早々様々な疑問が出てくる中で回想シーンでそれを解消しながら
タイムラインを進め、高校生の主人公、桐山零の棋士としての成長を描く。

特に育ての親の家族の一員としての葛藤や、
なんのために自分がこれ(将棋)をしているのかという部分などは共感する人も多いはず。

普通の競技ものと大きく違うのは、対戦相手の年齢層。
世代は違えど、将棋盤を挟めばそこは年齢が関係なくなるという不思議な世界。そして何十手先と先を計算するその静かで熱い頭脳・心理戦に思わず固唾を飲んでしまう。

監督の長回しがうまく聞いていて、対局シーンは非常に緊迫した雰囲気。実際の将棋会館も出てくるし、あの会場の朴訥とした雰囲気が何とも言えない愛着を観客にもたらす。

染谷将太演じる親友の二階堂(村山九段がモデル)と
佐々木蔵之介演じる対局相手の島田、
高橋一生演じる高校の将棋オタク教師林田が好き。
あと粋な将棋リムジンもカッコよかった。

有村架純演じる姉は憎めない嫌な奴で、物語のスパイス的な存在だが、
こういう存在があるから話に情緒が生まれるのだと思う。
宗谷冬司(羽生九段と谷川九段がモデル)のような無敵名人がいるのも漫画ならではだが、実は体に異変が出ているという設定は人間らしさをうまく足していて良かった。

「潔いのと投げやりなのは似ているけど違うんだ!」
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