Kaoru

あなたたちのためにのKaoruのレビュー・感想・評価

あなたたちのために(2015年製作の映画)
3.2
イタリア映画祭にて鑑賞。

最低最悪な旦那と使えない兄や両親の面倒などなど、ストレスに張り詰めた生活がひしひしと伝わる作品。

人は見たいものが見え、信じたいものを信じる生き物。
旦那から渡されるお金が高利貸しで得た汚いお金だったとしても、お金が必要ならば旦那の嘘も信じる。まさか旦那が悪事を働いているとは思ってもみなかった、ではなく、悪事を働いていると信じたくなかっただけなのよね。旦那に騙されたのではなく、自分に騙されたという心理描写はおどろおどろしい。

今を映すのは全てモノクロで、幼少期の回想シーンがカラーという表現もやはりおどろおどろしい。
途中途中、主人公の見せる表情を切り取り宗教画のように映すところや、全体的にミュージカルのように台詞が入るところなど面白い。

余談だけれど、音楽が好きな家庭ってステキだなぁと思ったわ。
Kaoru

Kaoru