バナバナ

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグのバナバナのレビュー・感想・評価

3.5
これ、イタリア映画です。
イタリアで『鋼鉄ジーグ』を観て育った世代の人が撮った作品だそうです。

主人公はローマでコソ泥をしているチンピラなのですが、ひょんな事から鋼の力と体を手に入れます。
ヒロインはというと、ベッドシーンありきのせいか美人ではないし、可憐でもないし、ただただイカれている女です。
主人公も中年のおっちゃんで、貧乏で、全く恰好良くありません。
その彼が彼女のお陰で、薄汚れたローマの街で正義を貫こうと決心するまでの話です。

二人とも誰からも気にされてこなかった底辺の人なので、今作も“ヒーロー物”の筈なのに、凄い侘しさ、悲しさが出ているのです。
粗削りだけど、この設定で、こういうトーンが出せるというのは珍しいです。

そして悪役も、マフィアの下部組織のチンピラなんだけど、こいつの変身後はゴッサムシティのジョーカーを彷彿とさせます。
どっちかというと、主役よりもこの悪役の変身後の方がカッコよかったですw。

70年代のATG制作の作品っぽい風情がありました。
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