健多郎

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグの健多郎のレビュー・感想・評価

4.0
不死身の司馬宙になるはなし

“チンピラが放射性物質を浴びて超人的肉体を手に入れる”
この設定だけならアメコミによくあるものですが、この映画の根底にある作品は鋼鉄ジーグ
~ダイナミックプロ原作でありながら永井豪がデザインに関わっていないので「(何も見ずに)描けない」と永井豪に公言されてしまったり(流石に今はもう描けるでしょうけど…)、同社のマジンガーシリーズやゲッターロボシリーズと比べて放送局が少なくマイナー扱いされたり、スパロボ参戦時にフィーチャーされた「死ねえ!」のセリフが印象的過ぎてネタ扱いされたり、日本では何かと不遇な作品ですがイタリアでは大人気だそうです~

そんな鋼鉄ジーグに憧れる女性との出会いがチンピラの心を変える
シナリオはローマを舞台にしたチンピラ同士の小さな抗争ですが、成長していく主人公の精神性はまさに鋼鉄ジーグの主人公・司馬宙そのもの
望まず手に入れてしまった力に苦悩し、力の正しい使い方を学び、スーパークリミナルはスーパーヒーロー…鋼鉄ジーグへ変わっていく
資金と時間を掛けたアメコミ映画にも引けを取らないハイレベルなヒーロー映画だと思います

僕自身は鋼鉄ジーグ世代ではないものの、幼少期に親戚から貰ったジーグのおもちゃで遊び倒していたのでかなり好きなロボアニメだったりします
そんな鋼鉄ジーグへ最大限のリスペクトを示した作品がイタリアで作られたことは心から嬉しいですし、同時に日本からこういう作品が出てこないことが悔しいですね

余談ですけど、イタリア語版の鋼鉄ジーグのうたって日本語版と全然歌詞違うんですね!
バイオレンスかつオノマトペだらけな日本語歌詞と比べてかなりヒロイックかつクリーンな歌詞で驚きました
健多郎

健多郎