Kou

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグのKouのレビュー・感想・評価

3.8
【イタリア発“燻し銀”ヒーローの誕生】

情けないことに初鑑賞時は面白さが分からなかったが、再び鑑賞して分かった。これは面白い!



まず、「主人公」「ヒロイン」「ヴィラン」
それぞれのキャラクターの癖がまあ強いんですよ。

・友達なし女性経験なし、おまけに窃盗で日銭を稼き、ただれた生活を送る主人公、エンツォ。好きな物はヨーグルトとエッチなビデオだけ。

・過去の辛い経験から心を病み、永井豪原作の『鋼鉄ジーグ』だけを支えとして生きているヒロインのアレッシア。

・小さなギャング団のボスで、自己顕示欲と破壊願望が異常に強いヴィラン、ジンガロ。将来の夢はYouTuber。
ね、すごいでしょ。まともな人が誰一人いない、でもそこが魅力なんです。



主人公は真性のクズだから能力を手に入れても自分のことばかり。でも、そんな彼もヒロインとの出会いで、少しずつですが変わっていくんです。王道ながら熱い展開ですよね。



本作の凄いところはまだあります。
それは、“超低予算”なところ。MCUと比べてみて下さい、桁が違いますから。

その上監督は、本作が“初長編作品”。
つまり、デビュー作なんです。
そう考えながら観てみると、いかにこの作品の完成度が高いか分かってもらえると思います。

ヒーロー映画の割にまだ未視聴の方が多いと思うので、ぜひ観てみて下さい!オススメですよ!

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ダメダメな主人公も最後には、
ヒロインから大切な物を“二つ”もらいました。

それは『ヒーローの在り方』と『手編みのマスク』
その二つとともに、
彼は今日もローマの街に飛び出していく。



その姿はまさにそう──『鋼鉄ジーグ』だ。



2018年1月11日 15本目
Kou

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