アキラナウェイ

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

4.0
鋼鉄ジーグの超合金(これがわかるのは70年代生まれまで?)は物心ついた時に我が家にあった。兄の物だった。

1975年に放映された永井豪原作の日本アニメが、まさか海の向こうイタリアで人々の心をここまで魅了していたとは。

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ。

なにこのタイトル、カッコ良すぎ…。
そしてこの映画が持つ熱量は何だ…。
鋼鉄ジーグ愛がアツ過ぎるぜ…。

かなり規格外なイタリアンヒーロームービー。

爆破テロの脅威に怯えるローマの街でエンツォ(クラウディオ・サンタマリア)は、とある出来事を機に超人的なパワーを得る。父を亡くしたアレッシアはエンツォを鋼鉄ジーグ=司馬宙(しばひろし)と重ね、慕う様になる。やがて2人はマフィアの麻薬抗争に巻き込まれていく。

主人公もヒロインもヴィランも全員規格外。超人的パワーで私利私欲に走る主人公も、鋼鉄ジーグヲタクでイカれたヒロインも、YouTubeで有名になりたいだけのヴィランもそんじょそこらのヒーロー映画とはわけが違う。

いや正直アレッシアは鋼鉄ジーグが好き過ぎて言ってる事おかしいし(彼女の心の傷がそれだけ深いからではあるが)、ヴィラン=ジンガロのイカレっぷりは、バットマンのジョーカー、レオンのゲイリー・オールドマンを彷彿させる程おかしい。

ヒーロー映画なのにエロもグロもあるわ、ヒロインの過去は影があり過ぎるわで、子どもには観せられない代物だから参った。大人向けダークヒーローものとしてはアリ。

中盤、ヒーローとしての自覚が芽生えてからの展開、「ヒロシ・シバ」と名乗るエンツォに胸が高まる。

ハリウッドでは絶対にこんな風に作らない筈のヒーロー映画。日本のアニメをオマージュとして盛り込んだこのアプローチが唯一無二の輝きを放っている。

エンディングテーマも渋くてシビれた〜!
鋼鉄ジーグを知らないヤングなピーポーも予備知識なしで観れます!!