回想シーンでご飯3杯いける

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.3
日本のアニメ「鋼鉄ジーグ」を題材にしたイタリア映画。サイボーグだったジーグに対して、本作の主人公は生身の人間。巨大ロボットも登場しないので、はっきり言うとジーグを知るおじさん世代(自分を含む)は、あまり期待し過ぎてはいけない(笑)

むしろ面白いのは、冴えないチンピラが放射性廃棄物を浴びた事で特殊な能力を身に付けるという設定。ヒーロー物なら「X-MEN」、怪獣ものならゴジラやジャミラに近い設定で、その"強過ぎない"能力が醸しだす悲哀に満ち、とても味わい深い。これ、僕の好きなパターンだ。

少し惜しいと感じたのは、主人公が守るヒロインの描き方が少々乱暴な事。単にぶっ飛んだ女に見えてしまい、恋愛ドラマとしての魅力に乏しい。

主人公を生身の人間にするのなら、日本のヒーローでも、例えばデビルマン辺りを題材にした方が良かったのでは?と思うのだけれど、ジーグを選んだ理由は、監督曰く「単純にジーグの色彩が好きだった」からなのだそう。そう言えばジーグのカラーは、緑、白、赤が主体。これってイタリア国旗の3色と同じで、イタリア人の心に響き易いのかもしれない。