イタリアの暗部の坩堝から生まれた異色のヒーローの物語。
偶然超人的な能力を手に入れるも、チンピラ稼業のエンツォはそのパワーを使ってこれまでと変わらず犯罪に手を染め続けてしまう。
そんな中、同じアパートに住む孤独な女性アレッシアをマフィアの手から救ったことで、アレッシアはエンツォを日本産のロボットアニメ「鋼鉄ジーグ」と重ね居着くようになる。アレッシアは心を病み、鋼鉄ジーグの世界と現実の区別が曖昧になっていたのだった…
欧州で人気を集める日本産ロボットアニメからインスピレーションを受けた作品。ジーグはイタリアが取り巻く環境の暗示であり、それは希望でもありトラウマでもある。
大筋の話にはそこまで真新しさはないが、人間臭いエンツォのキャラクターが好きです。スーパーパワーを得たといっても、ちょっと力が強くなって傷の治りが早くなる程度であることを考えると、人が変わるには大袈裟な変化は不要で、些細なきっかけさえあれば十分なのかもしれませんね。
