カルダモン

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグのカルダモンのレビュー・感想・評価

4.1
久々にイタリア産を見ました。
まずタイトルからしてまともな映画ではないことがわかる。なぜ70年代の日本アニメが?という疑問。オープニングのタイトルバックも思いっきり日本語で「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」と画面にデカデカと映され、うわっ、と思う。
若干の及び腰で映画を見進めるのだが、次第に映画の持つ不思議な引力に導かれて、主人公のエンツォがやがてヒーローを自覚し始める辺りでグッと来ていた。中でもヴィラン役はかなり魅力溢れるキャラで、これが映画全体のクオリティの決め手になっていると思う。彼の変身願望はグラムロック的でもあり、動画の再生回数が気になってしょうがないのも現代ユーチューバー的なノリで、スーパーパワーを手に入れても、この歪なピエロは一生承認されることか無いだろうと思うと、哀れで仕方がない。まったく同情はできないが。
全編通してバックで流れている音楽のセンスも絶妙で、意外な美メロに、耳が惹かれました。