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Viva!公務員/公務員はどこへ行く?/オレはどこへ行く?の小のレビュー・感想・評価

3.7
ヒューマントラストシネマ有楽町の企画「Viva!イタリア vol.3」で鑑賞。同館のウェブサイトによればイタリア映画歴代興行収入トップらしい。

内容は公務員の実態を通じてイタリア社会を風刺したコメディ。イタリア人なら大爆笑かもしれないけれど、自分はそこそこ可笑しいくらいだったかな。

イタリアの公務員の主人公がアフリカに行き、森の中タクシーでどこかに向かっている。タクシーが故障し、歩いていこうとするが、ちょっと怖めの部族に囲まれる。

白人は信用できないという部族長の前に突き出された彼が助けを請うと、お前がどんなヤツか見定めて決めるから、お前の話をしろと言われ、公務員である彼の半生の回想が始まる。

回想はイタリアの就職難、公務員の腐敗、女性蔑視、ゲイ・レズに対する偏見といった要素やギャグがふんだんに盛り込まれ、テンポ良く話が進む。また、北欧映画はオジサンの裸が定番みたいなことをおちょくったシーンも可笑しい。

で、部族長は、こいつは自分のことしか考えていないヤツだという結論になるのだけれど、わけあって良い人間になるよう諭され解放される。

人間はすぐに変わることはできないので、目的地に到着した主人公は、自分のことしか考えない性格が災いするのだけれど…。果たして自分勝手なイタリア人の彼は変わることができるのか、変わることを問われるのは彼だけなのか、という感じの物語。

ストーリーはまずまずとは思うけど、一番の笑いどころはイタリアあるあるだから、知識として知っていても実感が伴っていない日本人は大爆笑とはいかない気がする。

この映画がイタリアで大ウケというのは、公務員に対するひがみや不満が相当なのでしょうね、きっと。日本はどうなのだろうと想像してみると、既得権益にあぐらをかいているように見える自分みたいなオジサンかもしれないと思い、ちょっと汗が…。

●物語(50%×3.5):1.75
・ストーリーはスムーズ。可笑しいけど、大爆笑ではなかった。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・主人公の公務員の小憎らしさが良く出ているかも。彼が美人と上手くいくのははじめ変に思ったけれど、女性もナカナカの強者で、なるほどと。

●映像、音、音楽(20%×3.5):0.70
・主人公がリストラ対象でいろいろなところに左遷されるので、様々な大自然の映像が堪能できた。
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