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愚行録のAQUAのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
3.8
エリートサラリーマン一家惨殺事件から1年が過ぎ、世間的には風化した事件を追う記者の話。

犯人を捜せ!っていう感じではなく、惨殺された夫と妻の過去の知り合いに取材をしどういう人物だったのかを探りながら事件の真相を追うという面白いシチュエーションサスペンス、冒頭、記者の性格を混雑したバスで見事に表現していると思った、席にぼうっと座っている記者田中(妻夫木聡)、見兼ねた中年が老人に席を譲りなさいよと詰め寄る、面倒気に立ち上がる田中は揺れるバスの車内で転倒、着いたバス亭を足を引きずりながら降りる田中、罰が悪そうな注意した中年、バスが通りすぎるのを見ると普通に歩きだす田中。

そうこの記者田中は決して正義に燃えている訳ではなく、むしろ世間に関心がなくただ人を欺くことも厭わない嫌な奴なのである。
この後実の妹が幼児虐待で捕まっており接見のシーンになるが
なかなか一家惨殺事件へと話が進まず、この時点では全く全貌が見えなかった、しかしひとつひとつのピースが繋がっていくにつれて
「あぁ 確かに人として愚行なんだな」って実感させられるし、
単調だった身の上話が急激にサスペンスにすり替わっていく様は
観ていて面白かった。

ただなんか階級社会の縮図をみせつけられてるようでスッキリはしない感じかな

映画.com参照
妻夫木聡と満島ひかりの共演で、第135回直木賞の候補になった貫井徳郎の小説「愚行録」を映画化。羨望や嫉妬、駆け引きなど、誰もが日常的に積み重ねている「愚行」が複雑に絡み合っていく様を描いたミステリーを描く。ロマン・ポランスキーらを輩出したポーランド国立映画大学で演出を学び、短編作品を中心に活動してきた石川慶監督がメガホンをとり、長編監督デビュー。脚本を、「松ヶ根乱射事件」「マイ・バック・ページ」などを手がけた向井康介が担当した。ある時、エリートサラリーマンの一家が殺害され、世間を震撼させる。犯人が見つからないまま1年が過ぎ、改めて事件を追おうと決意した週刊誌記者の田中は取材を始める。関係者へのインタビューを通して、被害者一家や証言者自身の思いがけない実像が明らかになっていき、事件の真相が浮かび上がってくる。主人公の田中役を妻夫木が演じ、田中の妹・光子を満島が演じる。

2017年製作/120分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野
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