＜オチが....＞
善と悪、正義と不義にきっちりと線を引きたがる人間にとって、このあいまいさはどう映るのか。
『愚行』とされるものの正体は、いつも不明瞭で、観る角度、光をあてる角度によって、いかようにも形を変えて人の心に投影される。
そもそも、この世の中で、明確に定義された善もなければ、悪もない。
ものさしと言われる法の裁きの前でさえも、それはあいまいで、誰にも決める事などできない。
その曖昧さというぬるま湯の中で、ぼんやりと『悪』の正体を手探りで探る。本作は、そんな映画であった。
実に、邦画らしさというものが全面にでているし、謎解きミステリーの展開は、ベタではあるが、ある一定の面白さや引きこまれ感はある。
キャストの面では、満島ひかりさんが引っ張っているのだけれど、意外にも、松本若菜さんが漂わせる『こういう女性には関わっちゃいけない感』が、絶妙に良かったように思う。
全体的に、サスペンス調のヒューマン好きな方は、飽きずに楽しめるとは思うが、最後のオチがなんとも肩透かしをくらった部分が残念。ラストに向けて、期待が高まった故に残念。
監督は、長編デビュー作とのことですので、今後の作品にも期待します！長編デビュー作で、このキャスティングってスゴイですね。
原作の世界観がどこまで出ていたかは、未読なのでなんとも評価しがたい。
