Mii

愚行録のMiiのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
3.6
2回見た。
それでもやっぱり謎は残った。
人間なんてそんなもんだと私は思う。
これは異常な人たちの話なんかじゃない。
みんな多かれ少なかれ持ってる。
ただ。
目に見えるわかりやすい悪より。
目に見えないわかりづらい悪の方がよっぽどタチが悪いと思った。
誰にでもできるもんじゃない。
悪い人にならずに、悪い印象を与えずに
誰かを苦しめること。
自分の手は汚さない。
自分の手を汚せる方がよっぽどまともだ、なんて思ってしまう。
ただ見てるだけでも悪に成りうることもあるし。
みんな自分が可愛い。
自分が不幸になってまで誰かを救いたい人なんて。
そういるもんじゃない。
自分が幸せだから。
余力があるから。
誰かを救いたいと思えるし。
手を差し出すこともできる。
そうじゃない人間は。
自分の幸せより先に他人の幸せなんて
願えない。
それは異常なことなんかじゃない。
自分の人生の主役は。
自分以外にあり得ないんだから。

母親の"前を向くしかない"発言には何とも共感できなかった。
失敗を繰り返したくない、今のしあわせを壊したくない。
よくそんなこと言えんな、って。
あそこだけはどうしても許せなかった。

のっけから重々しい空気がビシビシ伝わって。
何ともまとわりつくようなイヤな空気感な映画だった。
人間はやっぱり複雑だな。
Mii

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