nana

愚行録のnanaのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
4.0

見応えがあった。
三度の衝撃。
仕掛け・仕掛けられる。

一生、敵わないの?
私はあなたに。

人間の暗部を描いたサスペンス。
華やかなフラミンゴとそれに必死にしがみつく小さな鳥。
そんな人間関係。


閑静な住宅街で起こった一家惨殺事件。
エリートサラリーマンと物腰柔らかい、誰からも好かれる上品な美人の妻。可愛い娘。
絵に描いたような幸福が奪われる。
未解決のまま1年が過ぎ、事件は風化されて行くように思われたが。


永い深い闇があった

憧れ
近づきたい、大好きだから。

ねぇ、仲間に入れてよ
頑張るから。

気づかないフリは出来るよ
バカにされても。


ありすぎる残酷。
身近に通り過ぎてきた中に、大なり小なりこんな事は普通に起こっていたような気がする。

人が人の純粋な気持をおもちゃにする。

事件を追う記者の田中(妻夫木聡)。
しつこすぎる取材に隠された真実が。
この妻夫木聡は冒頭から不穏な空気を醸し出し、作品を狙い通りに観る側をざわざわとした気分に引き入れてくれる。

それぞれのキャラクターにピタリとキャストが当てはまっている。

愚行録
愚か者
自覚のない愚か者と悲しすぎる愚か者


脚本が秀逸。
退屈している暇はない。

「三度の衝撃」
充分すぎました。

あのラストはもう、もう…。


1番怖いのは人ですか?





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