<概説>
第135回直木賞候補のイヤミス作品を映画化。
一年前に発生した未解決の一家惨殺事件。その再調査を担当した新聞記者は、人間関係を洗ううちに予想もしない最悪の現実に直面する。
<感想>
愚行録だァ〜〜〜!!!
本作は別に特別なカメラワークや画面構成があるわけではないのです。一般的なカメラワークと、普通にハマリ役のキャスティング。素朴な語りに、執拗なまでにスローペースな物語。
それが結果的に一部の人種には垂涎の作品にしています。
イヤミスはザックリ分類すると鬱映画。海外ならトリアーだとかハネケだとかランティモスだとか、そういう雰囲気で攻める作品群のはず。
それが日本映画の長所である朴訥とした語りによって、"見る映画"ではなく"読む映画"にまで落とし込んでいるのがたまらない。
とにかく聴覚に頼り、時折演者の表情を直視する。
こんな単純な作業が、なんと胃を締めつけることか。結果が読めてもこのストレスはどこまでも楽しい。何度だって見返したい。
陰湿な心理描写に関しては邦画に◎をつけたいです。