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追憶のレクのレビュー・感想・評価

追憶(2017年製作の映画)
3.0
ある事件により、かつて親友だった3人は刑事、容疑者、被害者として再会することになる。
3人の過去に何があったのか。
複雑に絡み合う壮大な人間ドラマが25年の時を経て交錯する。

サスペンス調ですが重苦しい中に感じるものが幾つもある人間ドラマでした。
予告編を見てもらえばわかると思いますが、岡田准一さんや小栗旬さんはじめ俳優陣各々の演技が作品の雰囲気と相俟って、キャスト製作陣共々、東宝臭のする映画って感じです。
良くも悪くも日本映画。

良し悪しは兎も角、最も着目すべき点は上映時間。
近年、前後編に分ける仕様や180分を超える長時間上映作品なども多い。
そんな中、99分という異常なまでの上映時間の短さ。
それにより非常にテンポ良く、無駄な俳優ドアップなどのカメラワークも排除出来ていて纏まりが良いんです。
時間を短く収めることで内容は凝縮され、弛れることなく濃密に仕上がってます。

逆に時間を短縮した分、登場人物や核となる事件の背景など細かな説明や描写が省かれ、余韻を感じる間もなく終わるので、不完全燃焼感は否めない。
その辺をもう少し重苦しく、醜く儚い人間の部分を見せても良かったのかもしれない。

事件と人物描写をもう少し丁寧に描かれていれば良い作品になったと思うし、キャストが豪華なだけに勿体ないという印象。
それでも古き良き日本映画の雰囲気は味わえるし、日本らしい美しい景色も見れるし、豪華な俳優陣の演技も素晴らしくしっかりとした人間ドラマになっているとは思います。
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