これ、すばらしいです。
芝居から演出から音楽、編集まで、ほんと、繊細な毛糸を編んでるみたいな丁寧さ。映画は野球みたいに攻守交代の芝居を反芻して見せてく芸術だと思ってたけど、この映画は登場人物全員が受け身。そこが衝撃的だった。現実、人と人が嘘なく思いをぶつけ合うなんてほとんど無い。だからリアルだったのかな。去年とっても良かった『ミッドナイトスワン』とはある種対極に位置する温度の映画だけど、言ってることはほとんど同じなのが面白い。また、どちらもジャニーズが生んだ日本の名優がトランスジェンダー役ということも然り。
そして、子役の柿原りんかちゃんが素晴らしかった。
今作以降、映画には出てなかったみたいでショック。
どの子役よりもいい女優さんに見えたから。
叔父(桐谷健太)の家に行ったら同棲相手(生田斗真)がいた、というシーンで、部屋を見渡す顔だけで「あ、いつもはもっと散らかってるんだな...」と分からせるって演技、まじでエグかった。こういう子が本当の天才子役だと思う。
