Nao

彼らが本気で編むときは、のNaoのレビュー・感想・評価

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
3.9
プライド週間ということで。

トランスジェンダー、ネグレクト、差別、いじめ、いろんな問題が詰め込まれている。
そんな負の感情を、編み物で昇華させているところがとてもセンスがよい。
結構エグい設定なのに、子供の気持ちで語られるので、なまなましさがなく、大人2人のゆったりとした口調もあいまって、すごく尊い雰囲気に仕上がっていた。

あえて言葉を選ばず誇張めに差別表現を演出しているのだろうけど、そうすることで、差別してる側へわかりやすく嫌悪感をいだけるところも、逆にリンコがめっちゃいい人なのもめっちゃ幸運なのも、シンプルなつくりだけど嫌いじゃない。女性じゃなくて、母親で語っているところもいい。

正直… こんな日本で恥ずかしいと思いながら見ていた。トランスジェンダーのリンコが、老人介護の施設で働いてるところなんかも、結婚の話と同じ理由かとハッとする。
子供たちの容赦のない集団による晒しあげも陰湿。実際、日本ってこんなだよね。
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