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彼らが本気で編むときは、のまるのネタバレレビュー・内容・結末

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

母親に育児放棄されてしまった娘トモと、叔父のマキオ、マキオの恋人リンコ(トランスジェンダー)の3人が中心となった話。

まず言いたいのは、この映画の登場人物はめちゃくちゃ変だと言うこと。

マキオを筆頭に、コミュニケーションの取り方が個性的すぎて、クラスに1人いるかいないかレベルの個性派集団が大集合。

他の出演作では普通に喋ってるので、もちろん役作りなんだろうけど、気になって仕方なかった。

で、ストーリーは様々な『母親』を描いた話です。

自分で子どもを産むことは出来ないが、トモに対して愛情を持って接しているリンコさん。

シングルマザーでありながらも母親的なことは何もせず、男を作って出て行ってしまったトモの母ヒロミ。

ヒロミとマキオの母サユリは、介護施設に入居中で、ヒロミとの関係は良くない。
後に分かるが、サユリの旦那は女を作って出て行ってしまい、そのまま他界したらしい。

トランスジェンダーのリンコさんを愛情たっぷりに育て、リンコさんを傷つける人を絶対許さない母親のフミコ。

トモの同級生であるカイの母親ナオミは、トランスジェンダーを差別しているが、実はナオミは知らないだけで息子カイもトランスジェンダー。

というわけで、5人の母親が出てきます。
逆に、父親は1人も出てきません。

私は他人であり、ただの視聴者なので、ストーリー的には良い母親、悪い母親というのがあるように見えるわけですが、当事者の母親になってみれば全員自分はちゃんとしてると思って子どもと接してるわけで。

子育ては、する方もされる方も大変だなと思った次第です。

最後、トモが母ヒロミを選んだところは「ウソーん!?」って思っちゃったけど、本作の当事者になってみればこれがリアルなんでしょうね。

『チョコレートドーナツ』ほどじゃないけど、得るものがあった映画でした。
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