Ayaka

彼らが本気で編むときは、のAyakaのネタバレレビュー・内容・結末

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

生田斗真くんがトランスジェンダー役に初挑戦したことでも話題になった本作。
実の母親からネグレクトを受けている少女が、トランスジェンダーの女性と共に暮らすことに…というあらすじは「ミッドナイトスワン」と似ていますが、こちらはより優しくあたたかく描かれたお話という印象でした。
重いテーマではありますが、全体を通して爽やかな風が吹いているような作風なので、とても観やすかったです。

斗真くん演じるリンコさん、その佇まいと心の美しさが画面越しにも伝わってきます。
マイノリティであることで数え切れないほど辛い思いをしてきたであろう彼女ですが、どんな時でも味方でいてくれるお母さんや、恋人のマキオさんがそばにいてくれたことで、その優しさや綺麗な心が失われずに済んだのかな。
田中美佐子さん演じるお母さんがとっても素敵。

主人公・トモの母がネグレクトをしていた要因もしっかり描かれているので、単純に実の母=”悪い母親”、リンコさん・マキオさん=”善人”という構図ではなく、母のバックグラウンドもきちんと見せた上で考えさせてくれる描き方に好感が持てました。

リンコさんが別れゆくトモにある贈り物をするラストシーンも印象的。
彼女にとっては、あの贈り物こそが「離れていても、あなたのことを大切に想っている」という、”母”としての愛をこめた揺るぎないメッセージなのですよね…
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