せんきち

つぶれかかった右眼のためにのせんきちのレビュー・感想・評価

4.0
13分の短編だが超凄い。何が凄いって1つのスクリーンに向かって3種のフィルムを3台の映写機で写してるのだ。従って1つのスクリーンに3種の映像が重なってトラックも重なってるの。DVDで観ても全く意味のない劇場でのみ成立する実験映画。

内容は1968年の日本と世界の姿を濃縮した様な感じ。SEX、ドラッグ、ロック、ベトナム戦争、安保闘争、サリドマイド奇形児等々の映像が無数に流され、それを奇怪なアニメーションで覆う。バックにはローリング・ストーンズの『Paint It, Black』、ヒトラーの演説、安保闘争のアジテーション。観るドラッグだ。


何言ってるか分からないと思うが、『ゴジラ対ヘドラ』のサイケ映像だけを濃縮した映画といえば一部の人には分かってもらえるのではないか。つか『ゴジラ対ヘドラ』の監督坂野義光は本作つか松本俊夫の影響を受けてるのではないかと。
せんきち

せんきち