「気力があるうちに、死にたいの」
とてもよかったです。登場人物どの気持ちにも共感できるし、色んな事を考えさせらるきっかけになる。
人間が老いるということは、出来たことが出来なくなっていくということ。
子どもは、産まれてから1人で何も出来ない時期に、親に身を削って何もかもをしてもらって育ててもらったときのことを、ほとんど覚えてはいない。
高齢者が一人で生活するのが難しいように、子どもだってそうだったはずなのに。
長年の色んなわだかまりや、感情が邪魔をしたり、こじれたりするのも、家族ゆえ。だから兄の気持ちも痛いほどわかる。わかっていても、後悔で終わってしまう関係性もあるよなあ。
親が老いたとき、こじれて素直になれないかもしれない。でも、そうやって育ててもらったのだと気づけたらいいなと、そんなことを、母娘の関係や、とくに入浴の介助のシーンでは感じました。
まだ先のこと、でもあっとゆうまにすぐのこと。